腕が上がらず、夜寝ていても肩が痛くて目が覚めてしまうという70代の女性が来院。
肩・肘・手首・腰・股関節など、いろいろ観察してみても原因がわからず、お手上げ状態。
逃げ出すわけにもいかず、しばし思案・・・
こんな時、いきなり患部をいじると失敗するので、一呼吸おいて身体全体を観察。
仰向けに寝てもらい、脚を診てみると、右足首が内側に捻じれ、腓骨も下がっている、
外果のちょっと下を押すととても痛がる、脛骨の内旋もあり、О脚状態。
こんな時は外果(外くるぶし)を擦ると改善できます。
ここは長腓骨筋という全身の歪みの連鎖を引き起こす筋肉の腱が通っているところなのです。
ここがゆるんでくると、肩回りの筋肉がゆるみ、腕の血流が良くなります。
首を少し調整し、手を上げてもらったら、少し上がるようになりましたが、「まだ痛い」
上げて痛いのなら下げてみようということで、
今度は、右手を下げて、反対側の手を上に伸ばす動作を何回か繰り返したら、
「すごく楽になった」と、ところが「まだ引っかかっている」と言うので、また悩む・・・
その時、ふと思いついたのが脇の下。
脇の下の後ろ側の部分をはさんでみると、「ぎゃあ~」と言う声をあげたので、ここを丁寧にゆるめたところ、
腕は上がるし、痛みもなくなったとのことで一件落着。

一年に何人かこのように悩ませる方が来院します。
しっかり観察しなければならないと教えてくれるありがたい方です。